2011年5月16日月曜日

NOTESをご希望の患者さんへ

NOTES(Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)という新しい画期的な手術のご紹介を以前このブログにご紹介しました。
http://wada-md.blogspot.com/2009/08/notes.html
私たちはこれまで動物を用いた研究でNOTESの安全性と有用性を確認してきました。
また最近ドイツでは、腟とおへその両方から手術を器具を挿入する術式が開発され、既に1000例以上の患者さんで実施されています。
そこで我々もこのドイツの術式に準じた手術方法を採用することにして準備を進めています。
既に当院産婦人科と共同の手術で、同様の手術に成功しています。
この度、当院の倫理委員会の承認がおりましたので、いよいよ患者さんの同意が得られれば、この新しい手術を実施したいと考えています。

患者さんのメリットは、体表に傷がないことです。
現在、単孔式内視鏡外科手術という、おへそだけの傷で手術を行う方法が広く行われていますが、臍部に2~3センチの傷ができるため、臍部の変形や若干のキズのはみ出しが懸念されます。
しかし、今回我々が行う術式はおへそに5mmの管を2本差し込むだけなので、さらに傷は目立たず、痛みも軽減することが期待されます。
なぜ傷が小さくてすむかというと、腟から臓器を摘出するからです。
腟の傷は、当然のことながら体表から見えません。また皮膚に比べて痛みが少ないとされます。
これは患者さんにとって大きなメリットになるといえます。

将来的には適応範囲を広げていくことも検討していますが、現在、対象とする患者さんは、閉経後の女性に限っています。
対象となる疾患は、
・胆石症や胆のうポリープに対する腹腔鏡下胆嚢摘出術
・胃粘膜下腫瘍に対する腹腔鏡下胃局所切除術
・急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術
・腹腔内疾患に対する腹腔鏡下臓器生検
・その他の腹部疾患に対する比較的容易な腹腔鏡下手術
としています。
この術式について詳しくお知りになりたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。

0 件のコメント: